手術室看護師の仕事を紹介します

手術室看護師の仕事って何でしょうか。そもそも、「手術室には看護がない」なんて言われるんですよね。多くの場合、手術室経験のない人に言われます。

まぁでもそう思われても仕方ないんです。だって外から手術室の中は見えませんから。

ということで、手術室看護師の主な仕事を紹介しますね。

手術室看護師の仕事とは

手術室看護師の仕事は、大きく分けて2つ。

  1. 手術
  2. 手術以外

それぞれをもう少し詳しく紹介しますね。

手術に関する仕事

手術に関する仕事は、主に2つ。

  1. 器械出し
  2. 外まわり

基本的には、1つの手術を2人の看護師で担当します。1人は器械出し、もう1人は外まわりです。

手術室における器械出しとは

器械出しっていうのは、皆さんが想像するアレです。

「メス」

「はい!」

みたいなやつです。

「医者に言われたものを出せばいいんでしょ」って思われるんですけど、手術室で働いたことのある看護師は、決してそんな言い方はしません。

そう思う看護師がいるとすれば、真剣に働いていなかった証拠です。

1つの手術で使う器械は、数100個にもなります。

名前を覚えるだけでも大変なんですけど、それを素早く出そうと思うと、「医者に言われてから出す」では遅いんですね。

だから、器械出しをする看護師っていうのは、次に医者が欲しがるであろう器械を少なくとも3つ以内に絞っています。

これは、解剖学、手術の流れ、術式、医者の癖など様々な知識に加えて、経験を積むことでできるようになる立派な技術です。

全ての手術の器械出しができるようになるまで、少なくとも2年はかかります。

よく言われるのは、「器械出しが看護なのか」ってことです。

看護っていうのは業務の内容によって決められるものではなくて、看護師が患者の安全や安楽を担保するために介入する中で生まれるものです。

なので、もしも器械出しは看護じゃないって思いながら器械出しをしている看護師がいるとすれば、それは看護ではありません。

自分がテンポよく出す器械によって、手術にリズムが生まれます。

スムーズに手術が進んでいても、器械出しの頭の中では「今、医者が持っている組織の裏に動脈があるな」とか、「ここで出血したらこれを出そう」とか、常に思いを巡らせています。

器械を出すだけでなく、色んなアンテナを張ってリスクに対処できる準備をすることで、患者さんの安全につながります。

ちなみに、スムーズに手術が終わっても、それは当たり前のこと。当然ながら、褒められることなんてありません。

手術室における外まわりとは

外まわりというのは器械出しとは違い、手術を外側からサポートし、同時に麻酔中の患者さんの管理を行う役割です。

麻酔中の患者さんは、麻酔の作用によって様々な体の機能が失われます。

例えば、麻酔中に体温が下がっても、患者さんは震えません。逆に、体温が上がっても汗をかきません。

他にも様々な体の機能が失われますが、このような失われた機能を補うのが、外まわり看護師の役割です。

外まわり看護師の看護の質は、患者さんの術後合併症発生に大きく関わります。

外まわり看護師の看護の質が低ければ、患者さんには褥瘡(床ずれ)が起こります。

麻痺も起こります。

シバリングという体の震えを起こして、狭心症を起こす可能性もあります。

外まわり看護師の看護で、患者さんの合併症発生率が大きく変わるんです。

また、外まわりっていうのは手術のサポートもするので、手術の流れを知らなければいけません。

そのため、基本的には器械出しをマスターしてから外まわりを行います。

外まわり看護師の経験があって「手術には看護がない」っていう人は、おそらく外まわりをしながら寝てたんでしょうね。

外まわりっていうのは、とても責任の大きな仕事です。

手術以外の仕事

続いては、手術以外の仕事です。

最も重要なのは、「滅菌業務」です。

手術で使う器械は、無菌でなければいけません。

無菌というのは消毒よりもさらにキレイな状態です。

滅菌を行うためには、器械の洗浄・滅菌に関する深い知識が必要です。

患者さんの感染を予防するためには、器械の材質ごとに適切な洗浄と滅菌方法を選択しなければなりません。

滅菌業務というのも、責任ある仕事です。

まとめ

少しでも手術室での看護師の仕事を知っていただけたらと思い、簡単にではありますが、紹介させていただきました。